●オープニングコンサート
阪急電車とバスを乗り継いで、お寺の境内にたどり着くと、既に、行列が出来ていました。クラシック好きな人たちって、結構居るものだなぁと思いつつも、自分もその一人であるという自覚など無く、さりげなくその行列に加わった。
出演者の中田潔子さんから、お寺の本堂で演奏するからと、聴いてはいたのですが、いったいどんな風に、観覧できるのだろうかなど、全く想像がつきませんでした。30分前に開場ということで、結局1時間ほど、外で待ったことになるのですが、ようやく開門となり、入り口で、住所やら氏名やらを書き、土足厳禁のため、履いてきた靴をぬいで、本堂へと進みました。
ご本尊というのか、大きな仏像を背にして、簡素にステージ(演奏者の椅子が並ぶ)が、設営されていて、奥のほうから、楽器の音が聴こえる中、私たち聴衆は、自分が座る位置を確保するのに苦労しました。というのも、そもそも此処は、お寺の本堂なので、板の間だし、洋式に椅子に座るというのには、不向きな場所なため、地べたに座って聴く(座布団が用意されていたと思う)というスタイルで、詰め合ったため、かなり窮屈な体勢で、足の痺れと戦いながら長時間を過ごすという、ある意味過酷な情況だったのです。
演奏が始まると、さすがに、美しい音色に、此処が何処であるかなど関係なく素晴らしい感動に包まれるのでした。特に、ハープ、そして、チェロの、各ソリストが弾く曲は、とても素晴らしかったと思います。
最初に、触れましたが、“仏像を背”にするより、“仏像と対面”して、音を発した方が、音響としては、効果があったかもしれないとは思うのですが、それはそれとして、このくらい、演奏家と聴衆が近い場所で、音楽を発し受け止める作業ができる環境はなかなか少ないので、この演奏会は、私にとっては、貴重な体験でした。
余談ですが、演奏が終わって、アンサンブルの皆さんが、私たち聴衆に向かって、お辞儀されたと同時に、ご本尊(仏像)に対しても、お辞儀を忘れていなかったことが、とても印象に残っています。
長岡京室内アンサンブル・オープニングコンサート
期日:1997年3月23日午後5時30分開演
会場:浄土門根元地 総本山『光明寺』本堂(御影堂)
アンサンブル:長岡京室内アンサンブル
メンバー:
第1ヴァイオリン:森悠子、安紀・ソリエール、井上隆平
第2ヴァイオリン:中田潔子、立花礼子、佐藤一紀
ヴィオラ:陣内範奈、伊藤あづさ
チェロ:柳瀬順平、ヤゴバ・フアンロ
コントラバス:長谷川順子
ソリスト:
ハープ:ジュリー・パロック
チェロ:フィリップ・ミュレール
シューベルト:弦楽四重奏曲 第12番 ハ短調 「四重奏断章」 D703
ボッケリーニ:チェロ協奏曲 第9番 変ロ長調 G482
ドビュッシー:弦楽オーケストラ伴奏付き 半音階ハープのための『神聖な舞曲と世俗的な舞曲』
ドヴォルザーク:弦楽のためのセレナード 作品22
