●ヴァイオリンリサイタル
仕事の関係で、泉佐野市役所には、頻繁に行く機会があるのですが、役所では、書類を貰う申請をしてから、それが出てくるまで結構待つもので、ロビーに置いてあるパンフレット等は、見飽きる程見ているわけです。泉佐野市役所では、隣の泉の森ホールでのコンサート案内のパンフレットが置いてあったりするので、時には、こうした掘り出し物の演奏会に巡りあうという事もあるのです。
仕事の帰りに、プラッと音楽会に行くという、何とも贅沢な時間を過ごすのには、こうしたリサイタルは、妙に気構える必要も無く、格好のプログラムだと思います。仮に、時間に間に合わなくても、途中から聴くにも、オーケストラの大曲などを聴くのと較べて、比較的ロスが少ないから平気です。日中の仕事が忙しくて、なかなか音楽どころではないという人にもお勧めしやすいです。
この演奏会では、ドヴォルザークや、ヤナーチェク、ブラームスといった偉大なる作曲家の素晴らしい楽曲に遭遇できたこと、そして、それを奏でる2人の素晴らしい演奏家に出会えたことに、大変感動しました。
諏訪内さんの演奏は、今回初めて聴きました。女性の演奏家らしいエレガントな衣装で登場されたのですが、楽譜が指示する音楽から、余り逸脱しない几帳面な演奏が繰り広げられている感じがして、温かく力強い音色が、心地よかったと思います。
ジェレミー・デンク氏は、身近なところでは、クリスティーナ(チェロ)&ローラ(ヴァイオリン)の“Sweet Times”というCDの中で、“New York,New York”のとき、ピアノを担当していますので、但し、CDの宣伝をするつもりはありませんが、興味のある人は聴いてみては如何でしょうか?強いタッチで艶のある音色に感銘を持たれる事と思います。
この演奏会のプログラムで演奏された曲は、諏訪内さんのヴァイオリンと、1990年のチャイコフスキー国際コンクールのピアノ部門で優勝した、ボリス・ベレゾフスキーがピアノという組み合わせで、CDが出ています。但し、こちらもCDの宣伝をするつもりはありませんので、よっぽど興味がある方は、一度聴いてみては如何でしょうかという意味です。
前半のプログラムの中で、ドヴォルザークのスラブ舞曲集より第1番が披露されていますが、民族的なメロディがとても心地よく表現された名曲で、個人的な趣味として、この楽曲は、お気に入りの1曲です。
今回、後半のプログラムに採り上げられたブラームスのソナタは、3作品残しているヴァイオリン・ソナタとは違い、もともとクラリネットのために描かれたソナタを、作曲者自身が、ヴァイオリン用に編曲した作品なのだそうです。こうした作品を掘り起こして紹介するのも演奏家の重要な仕事の一つなのだと思います。
ハンガリー舞曲集って、16曲あるのですね。その中から、3曲。そして、アンコールでは、同第8番が演奏されました。舞曲だけあって、どの曲にも躍動感があり、気持ちが盛り上がる感じがします。オーケストラで聴く“ハンガリの5番”も良いですが、ヴァイオリンとピアノで聴くのも、なかなか乙なもので、結構楽しかったです。
諏訪内晶子ヴァイオリンリサイタル
期日:1998年9月8日午後7時開演
会場:泉の森(小)ホール
ヴァイオリン:諏訪内晶子
ピアノ:ジェレミー・デンク
ドヴォルザーク:4つのロマンティックな小品 Op.75
ドヴォルザーク:スラブ舞曲集より 第1番 ト短調、第2番 ホ短調
ヤナーチェク:ヴァイオリン・ソナタ
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ Op.120-2
ブラームス:ハンガリー舞曲集 第2番、第9番、第5番
