1999年01月26日

●ヴァイオリンリサイタル

仕事場である岸和田を4時に出発して、電車、バスを乗り継ぎ、会場のある府立医大病院前のバス停に到着したのは、開演の7時より、僅か15分程前でした。チケットは、電話で予約はしてあったものの、時間が無い中、今から、お金を支払ってチケットを購入しなければならないという情況に、少々焦りながら、初めての慣れない会場で、足早にチケットブースに向かいました。分かりやすい場所にあったお陰で、難なく、手続きを済ませ、開演前に、会場内に入る事が出来ました。
私が、このデュオに出会ったのは、今回のプログラムの内、おおかたの曲が収録されたCDでした。心斎橋の大手楽器店のCDコーナーで、ダンスとか舞曲といったもので、面白い音楽が無いかと詮索していて、この1枚を、見つけたのです。また、ピアソラという作曲家の楽曲に、意識的に接した最初の音楽でもありました。今では、このCDは、私にとって“お気に入りの1枚”として、何度も何度も聴いています。
正直なところ、アコーディオンという楽器に対するイメージは、のど自慢の伴奏か、横山ホットブラザーズのような、所謂“なりもの”の芸能で使われる簡易な音楽に登場するものでした。私の先入観は、彼の演奏の前に、見事に音を立てて崩れ去りました。時には、オルガンのような神秘的な音色を奏で、時には、バンドネオンのような躍動感あるリズムを演出します。そして、なによりも、空気の流れが作用して発音するだけに、人間の発声のような、表情豊かな音楽が楽しめる楽器なのです。また、この演奏会で実際にそのアコーディオンを見た感想は、意外に大きなもので、重量感もあり、これを、弾きこなす姿に、とても迫力を感じました。
アコーディオンが素晴らしい音楽を奏でる立派な楽器であるという前提で、ヴァイオリンとのコラボレーションでバッハを聴いたとき、それが、異色な組み合わせではなく、ピアノ伴奏ではあり得ないような、全く違った可能性が求められる正統な組み合わせである事が理解できました。
加藤さんのヴァイオリン演奏は、また素晴らしく、バッハの音楽は勿論の事ながら、タンゴというジャンルの作曲家ピアソラが描いた音楽を、クラシックのスタンスで、楽しませてくれました。
ピアソラの音楽の極めつけは、アンコールで演奏された「リベルタンゴ」でした。1曲1曲に、精魂込めて演奏された2人の素晴らしい演奏家に拍手は尽きません。最後に、プログラムで演奏した曲の中から「言葉のないミロンガ」が、もう一度演奏されて、終焉となりました。

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