2000年10月14日

●ミレニアム・ガラ・コンサート

金管セクションによるファンファーレは、流石の響きでした。
ユダヤ系ロシア人を両親に持つアーロン・コープランド(1900-1990)は、米国のニューヨークに生まれ育ち、幅広いジャンルの作品を世に残している20世紀アメリカの指導的立場にあった作曲家といわれています。彼の楽曲は、随分以前で、何時の事だったかは詳しく覚えていませんが、モスクワ放送交響楽団来日公演の模様をTVで、『エル・サロン・メヒコ』という曲を、ウラディーミル・フェドセーエフさんの迫力ある指揮による演奏を拝聴した事がありましたが、リズミカルでありながらも、非常に叙情的な部分もあり、素人的には、解り辛い音楽だという感想を持っていました。
高音がキツそうなファンファーレは、楽器の数が多い方が効果が出るのだけど、逆に、そうなるとピッチが合いにくいということもいえるし、今回は、通常の管楽器で非常にスマートな演奏で、これはこれで素晴らしかったと思います。
『こうもり』は、テンポよく快調な部分と4分の3拍子の甘く哀しい部分が、スマートな展開で切り替わる演奏だったと思います。ガラ・コンサートの幕開けという雰囲気を盛り上げていました。
古澤さんの演奏を生で聴くのは今回が初めてでした。指揮を兼ねた「弾き振り」という演奏スタイルも絵になっていたし、スペインを思わせる衣装が、視覚的にも雰囲気を出していたし、選曲の聴覚的にも、情熱的な演奏で、とても楽しませてもらいました。
藤井香織さんは、3月に横浜で聴いたリサイタルと違って、今回はオーケストラとの共演で、才能を余すところなく発揮していた好演でした。彼女の堂々とした吹きっ振りは、変に癖が無い演奏スタイルに高感度が高く、とても爽快な印象を受けます。聴いていて、見ていて、気持ちがいいと思います。
何に驚いたかといって、鮫島有美子さんが、こんなに素晴らしい歌手である事と、同時に、声楽の素晴らしさを初めて知った事でした。きっと、歌だけのリサイタルや、オペラなども素晴らしいステージを展開されるのではないでしょうか。機会があれば、ぜひ一度そういう場に遭遇してみたいと思っています。
ブーニンは、今回、ほんのちょっとの演奏だったけど、司会の桂三枝さんとの会話のやり取りの中で、時々本人の言葉として、“大阪弁”が飛び出したりして、とても和やかなステージでした。このステージが始まる前に、三枝さんが、ブーニンさんに、“サインをお願いしたら、断られた”というエピソードを“暴露?”され、それについて、ブーニンさんは、“演奏会の前にサインをすると、良い演奏が出来ない”というご自身のジンクスがあるためと、弁解されていたのは、興味深かったです。
ザ・シンフォニーホールで使用するピアノは、ブーニン専用のもの?のせいか、音が全然違う!という印象を受けました。凄いです。素晴らしいです!ピアノを弾く人は、やっぱりブーニンの演奏を生で聴くべきではないのでしょうか。

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