2000年11月13日

●ウイーク イン ジャパン 2000

私が、ウィーン・フィルの演奏を生で聴ける機会は、今後、どのくらいの可能性があるでしょうか?おそらくは、殆ど不可能に近いような気がしています。今回の来日公演は、ブラームス・チクルスという訳で、全てがブラームスの楽曲で組まれたのですが、その内、大阪の2日間は、4つの交響曲全てを演奏するという豪華プログラムでした。本当に、この2日間は貴重な体験ができました。2度までも聴くことが出来たのは、幸運に他ならないと思います。
さて、本日のプログラムですが、第3番は、第1楽章からバランスが難しい曲のようだけど、なかなか超一流の演奏でしたね。第3楽章については、全く予想以上に美しく、メロディのとり方も、テンポがやや速め?の中、非常に清潔で、しかも深みのある演奏でした。
第2番については、昨日の、第4番とは、また違った意味で、力強い演奏でした。オーボエが少し押さえ気味の演奏だったようにも聴こえましたが、それは気のせいとして、とにかく凄い演奏でした。とにかく細かい事は何もありません。終楽章では、迫力のある響きを、浴びるように音楽三昧させてもらいました。 アンコールは、J.シュトラウスⅡ:ワルツ「芸術家の生活」、ヨゼフ・シュトラウス:ポルカ・シュトネ「大急ぎで」でした。
演奏会終了後、会場の裏にある関係者出入り口(ステージ・ドア)へ回ってみたら、人がいっぱい集まったていました。1時間くらいして、ホールの係員が「小澤征爾氏が、サインされますのでこちらに並んで下さい。」って言うので並んでみました。“ペンも持ってないし大丈夫かな”と思いながら、私の順番が来たけど、ちゃんと、マジックをもっておられて、今日のプログラムにサインしてもらいました。「握手して下さい。」って、言ってみたら、左手を逆手に差し出してくださり、握手することもできました。“何てミーハーな事を”と、思いつつも、2日間の「私のウィーン・フィル」は、これで無事終了しました。

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2000年11月12日

●ウイーク イン ジャパン 2000

午後5時37分。ザ・シンフォニーホールの前の並木道を越える途中、明日の公演チケットを持っているというカードを示す数人の人たちを尻目に、私は、ホール正面左手にあるチケット窓口に急ぎました。
今日の公演は、予約が取れていませんでしたが、1週間ほど前に、シンフォニーホールのチケット係りの方から、「キャンセルが出るかもしれないので来られますか?」という電話を頂き、「少なくとも立ち見が確保」出来るというお話しだったので、来て見たのです。
窓口で自分の名前を告げると、40分過ぎに誰か1人の名が呼ばれ、キャンセルチケットを購入していました。何と、次に私の名前が呼ばれ、A席のキャンセルチケットを入手できました。本当にありがたい。さらに、席を見て、K-16、1階のど真ん中じゃないですか?ラッキー過ぎる。
演奏会は、6時開演。鳴り止まない拍手を静止して、指揮者の小澤氏は、開演に先立って、例のオーストリアで起きた「ケーブルカー火災事故」について、オーストリアは、2日間の喪に服しているという事を報告されました。また、メンバーも深い痛みを感じているとした上で、黙祷を行いたいと言われました。まず、哀悼の意をこめて、バッハの「G線上のアリア」が演奏されました。その後、全員が起立し、黙祷が行われました。
プログラムに入って、まず、第4番ですが、やはり、エネルギッシュな演奏に圧倒されました。この曲は、元気を与えてくれると言う人もいたけど、指揮もオーケストラも歯切れのよい熱演に聴いていて、見ていて感激しました。
第1番については、第1楽章で、すでに感動のピークを迎えました。この上は、未知の世界でしたね。こまかいことは、よく解らないけど、迫力だけではなく、木管楽器の音色には、木目の細かさを感じたし、ウィンナーホルンの響きには、新鮮でした。トゥッティでは、迫力はあったし、厚みがありました。第4楽章のあの長い動機は、心に迫るものがありました。2度目に出てくるところの、音の「溜め」も実にスマートで、効果的だったと思います。最後まで、感動のしっ放しだったけど、こんだけの感動を得られる演奏会は、二度とないのかも知れません。音楽を詳しく知らないからこそ受ける素直な感動というモノでしょうかね。 アンコールは、J.シュトラウスⅡ:ワルツ「ウィーン気質(かたぎ)」でした。小澤氏は、ポイントだけ、微妙な動きで指揮していました。オーケストラの自主性が、まさにウィーンフィルそのものですからね。また、小澤氏は、指揮棒を使いませんでした。

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2000年11月07日

●第343回定期演奏会

この公演での注目点は、大阪フィルには、ブルックナーの交響曲で数々の名演を残してきという歴史がある事。それが、全て、ブルックナーのスペシャリストとも評さてきた朝比奈隆さんの指揮による演奏であった事。そして、今回、朝比奈さん以外の指揮者では、初めて定期公演に、この楽曲を採り上げるという事です。
但し、ノヴァーク版での演奏という事で、朝比奈さんの大阪フィルが、近年採用するハース版ではありません。私にとっては、ノヴァーク版であるとか、ハース版であるとか、何れがどうという事情は、詳しくわからないのですが、演奏家の中には、様々な“こだわり”があるのでしょうか?
コンチェルトでは、第1楽章の低く太い響きが、とても力強く感じる諏訪内さんの演奏に、聴いている側としても手に汗握りました。序盤、弦が切れるというアクシデントはありましたが、いったん、袖に下がられ、弦を張ったヴァイオリンで演奏が再開されました。こういう時は、代替楽器を使うのか?弦を張り替えるのか?実際どうされたのかは知りませんが、その後の素晴らしい音色から創造するに、弦を張替えられたのではないかと思ったりしています。ブダペスト祝祭管弦楽団との共演でも、同じアクシデントを目撃しましたが、やはり、弓と弦の間には、かなりの摩擦というか、圧力がかかっているのでしょう。
ショスタコービィチの作品は、私の様な素人には、理解し難い面が多いと思います。音符の配列に深い意味合いを持たせるといった、高度な作曲法が施されている様ですが、聴いていても、はっきり“これだ!”と、ピンと来るところが殆どありません。よく耳を澄まし、繰り返し聴き、また、作曲者が生きた時代背景を知り、時には、譜面の解説なんかもあると、もっと理解が深まるのかも知れません。但し、私には、そこまでする気はありません。
前半プログラムのアンコールとして、諏訪内さんが、バッハ作曲:『無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番より、アンダンテ』を、披露してくれました。弦が切れたお詫と云うところでしょうか。そういう意味では、私達は幸運だったとも云えそうです。
ヤルヴィさんの指揮は、とてもスマートで良かったと思います。ブルックナーでは、管楽器が活躍する場面が少なからずありますが、弦楽器群とのバランスが最適に指示されていたように思います。また、第2楽章のヴィオラのソリがとても美しかったのが印象に残りました。

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