●来日公演『炎のシンフォニー』
今世紀中にサントリーホールでコンサートが聴ける喜びで一杯です。このチケットをお譲りいただいた方に深く感謝の意を表します。有難うございました。
まず最初のプログラムでは、このオーケストラの美しい音色に興味が集中しました。ヴァイオリンは、非常に立体感のあるアンサンブルを奏でていたし、特に金管楽器は迫力だけでなくこのホール特有の響きを楽しませてくれたような気がします。
中村紘子さんのピアノは、8月の大阪フィルとの共演以来でしたが、力強い演奏でした。この第1楽章では、美しいメロディをきっちり聴かせてくれました。彼女は、ショパンコンクールなどの審査員を務める程、世界的に、その実力が認められているピアニストですが、最終楽章までたっぷりのコンチェルトを楽しませてくれたのは、やはり流石だと思いました。
幻想は、いうことなく圧巻でした。第1楽章の神妙な趣き、第2楽章の軽快なワルツは、とても心地よいものでした。第3楽章では、冒頭より、オーボエ奏者が2階客席の後ろからソロを演奏し、ステージ上で演奏するコールアングレ(イングリッシュホルンとも呼ばれるオーボエより少し大きい楽器)との音の交換を楽しませてくれました。第4楽章は、とてもシリアスな情景を描いた部分ですが、時々、指揮者の“うなり”が聴こえる力のこもった演奏でした。最終楽章では、鐘の音を、粋に演出していました。技術力に裏付けられた高濃度の迫力と、コンサートホールを、広く使った演出で、私たち聴衆を魅了してくれました。この公演は、私が今年聴いた中で、最も素晴らしい演奏の1つです。
アンコールでは、「激しい音楽のあとは、ゆったりとした音楽を」ということで、まずは、アイルランド民謡:ダニーボーイ、続いて「ハンガリーといえば、外せない音楽」といえば、ブラームスのハンガリー舞曲ということで、第5番。そして、第1番。ここで指揮者の提案「幻想のラスト30秒間を演奏しますので、終わると同時に立ち上がって、拍手してあげてください。」とのこと、実際、全員やりました。ハッキリいって感動しました。
来日公演『炎のシンフォニー』
期日:2000年12月10日午後2時分開演
会場:サントリーホール(東京都/赤坂)
管弦楽:ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団
指揮者:小林研一郎
ソリスト:中村紘子(ピアノ)
リスト:交響詩「前奏曲」
ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調op.11
ベルリオーズ:幻想交響曲~ある芸術家の生涯のエピソードop.14
