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2001年03月31日

●N響奈良公演

吹く風に、まだ少し冷たさを感じる奈良公園周辺ですが、所々に見られる桜が、花を咲かせています。いよいよ「春」の気配が、身近なところまでやってきたなと感慨に耽りつつ、会場まで1時間余りある時間を、散歩に充ててみました。三脚を立て、本格的に撮影している小さな集団に近づいていくと、そこには、見事に咲き乱れる“枝垂桜”がありました。私には、お花見を楽しむという“風情”は、持ち合わせていませんが、美しいものは、やはり美しいものです。
さて、今回は、年末の“第九”を聴いて以来のN響でしたが、相変わらず素晴らしかったです。アダージョは、ストリングス(弦楽器)のみの演奏でしたが、とても綺麗でした。あたりまえですが、NHK交響楽団はしっかりした技術力の裏づけがあるわけで、だから、演奏にも厚みがあるし、全く乱れません。優れた演奏家が優れた楽曲を演奏する。何て、こころに染み入る曲なんだろうと、ひとり感心していました。
 メンデルスゾーンのイタリアは、終始指揮者が細かく各楽器へ指示を出していて、とても忙しい感じを受けました。第2楽章は、音楽の美しさを充分発揮する演奏で満足でした。第3、第4楽章へと小さく展開するこの曲には、今ひとつ感動を覚えなにくいかもしれないのですが、それでも指揮者の集中力ある指示が、今日の演奏を素晴らしく仕上げていたと思います。
ラフマニノフの2番は、ピアノ協奏曲のレパートリーとして様々な演奏家によって、度々演奏されるので、大変馴染みが深い楽曲です。私見ですが、曲中、これでもかという程、随所にカデンツ(ソリストの自由裁量で演奏される部分)が出てくるのですが、演奏会では、この部分が、この曲の出来を大きく左右するのだと思います。今回のソリストは、素晴らしく、この曲の魅力を存分に表現されていたのではないかと思います。
第1楽章から重くそして心地よい主題による音楽が支配する。第2楽章(緩徐楽章)では、彼女の美しいピアノの音色が目立ちました。終楽章では、NHK交響楽団の偉大さを再確認したというところです。とても素晴らしい。とても満足した演奏だったのでした。
アンコールとして、ハエ=スン・パイク(ピアノ)さんが、リストの「なぐさめ第3番」を演奏してくれました。心があらわれる感じを自覚したところで、演奏会はお開きとなったのでした。

奈良公演

期日:2001年3月31日午後5時開演
会場:奈良県文化会館国際ホール(奈良県)

管弦楽:NHK交響楽団
指揮者:ヤコフ・クライツベルグ
ソリスト:ハエ=スン・パイク(ピアノ)

バーバー:弦楽のためのアダージョ
メンデルスゾーン:交響曲第4番イ長調op.90《イタリア》
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調op.18