●21世紀の第九
年末に、第九の演奏会に出かけるというのが、ここ3年続いています。どうやら、私にとっても、これが定番となりつつあります。2年前は、朝比奈隆(2001年12月29日逝去)指揮の大阪フィル、昨年は、NHK交響楽団、そして、今回は、大阪センチュリーという運びとなりました。
センチュリーの演奏には、安心しきっているので、今回は、佐渡さんの指揮ということで、“味のある演奏”を聴かせてくれるには違いがなかったのですが、お祭り的な意味合いもある“第九”という行事にふさわしい“ノリがいい”音楽を期待しました。
いよいよ、静かに演奏がはじまり、第1楽章から、かなり動きのある音楽を聴かせてくれました。序盤の静かな入りから、音を重ねながらアチェルランド(だんだんはやく)とクレッシェンド(だんだん強く)していく部分では、まとまりのある音楽を聴かせてもらいました。個々のアンサンブルがしっかりしているので、疑問に思うようなハーモニーは少なく、ずっと耳を澄まして聴き入る事が出来、とても楽しめました。特に、第3楽章の長く静かなフレーズでは、奏者が“乗ってきたな”という感じが聴いて取れました。フレンチホルンもよく頑張っていたと思います。「何時もより余計にまわしております!」といった感じというと言い過ぎですが、年末も押し迫ったとひとり実感しながら聴き入っていました。
第4楽章では、木管楽器がよく頑張っていました。個人的には、管楽器には、もう少しやわらかい音色を求めるのですが、この演奏では、美しく流れるフレーズに好感が持てました。合唱部分は、とても迫力があったし、しっかり唄っていたと思います。
私は、『年末に第九を聴く』ということが、それほど重要な事だとは思いませんが、ベートーヴェンの傑作に他ならないこの曲が、毎年コンスタントに演奏される事は、クラシック音楽ファンにとっては、とても有り難い話しです。そして、この曲をもって一年を締めくくるというのも悪くないと思います。

