2002年03月31日

●京都特別演奏会

京都コンサートホールへの大阪からのアクセスは、いろいろあるのですが、今回は、梅田から阪急電車に乗って、「烏丸」駅で地下鉄烏丸線に乗り換え「北山」駅下車、1番出口を出て右(南方向)へ徒歩2分という方法で行きました。
この建物内にある『ラ・ミューズ』というフレンチ・レストランが印象に残りました。休日のマチネを楽しんだ後などは、小洒落たディナーを味わいながら、その余韻を楽しむのも良いかも知れません。但し、2人以上の場合ですが。
今回は、というよりも何時でもですが、一人なので、演奏会前に軽食をいただきました。席の配置も、ディナーと、軽食&喫茶は、分けてあるので、ゆっくりディナーを楽しみたい人たちは、静かな空間を、フランクに会話を楽しみたい人たちは、開放的な空間をという感じで、どちらの雰囲気も損なわない心遣いに、好感が持てました。
さて、京都コンサートホールには、音楽を聴きに来たわけですが、今回、大阪フィルハーモニー交響楽団の京都特別演奏会のプログラムに、ブラームスのコンチェルト(ヴァイオリン)が、組まれていたのと、ソリストが、加藤知子さんという、私にとってはお馴染みの方でしたので、行ってみようと思いました。
加藤さんの演奏というと、私が、大学4年生のとき、内定先の会社から招待された大阪フィルのコンサートのプログラムで、メンデルスゾーンのコンチェルトを聴いたのが最初ですが、もうあれから、12年以上たちます。平成2年前後の就職活動は、学生の“売り手市場”といわれる好景気な時代で、内定者を拘束するために、各会社は、音楽会に招待したり、旅行に連れて行ったりしていたのですが、その会社は、今では辞めてしまったし、その会社自体が、亡くなってしまったので、遠い日の思い出といったところです。
  プログラム前半のコンチェルトは、管弦楽主導で展開する演奏に、ソリストは、かなりの苦労を要したのではないでしょうか。ある意味、聴いていてスリル感がありました。意識的に、メリハリのあるフレーズの取り方をしながら、彼女自身のスタイルを崩さないように、集中力を保ちながら、幅のある演奏を聴かせてくれたとは思います。
細かい事を云い出すと“キリ”が無いのですが、序盤では、“響き”を大切にした“大フィル”の演奏力の高さを感じさせてくれたものの、管楽器の音の抜けが良好な此処のホールの特性が、オーボエでは、効果的だったかも知れませんが、フルート&ピッコロでは、逆に、泣かされる場面があったようにも思います。楽曲を通して、一喜一憂の演奏でした。
後半のバレエ音楽は、曲想が、力のこもった演奏を期待するので、やや響きに、強引さを感じないわけではないのですが、どちらかというと、私自身の好みではない音楽という感じの曲なので、聴いていて、難しい感じがしました。
20世紀の作曲家の作品らしく、管楽器の起用も多彩で、ファゴットも高音から低音まで使ったり、クラリネットもまた、バスクラリネットが登場したり、金管楽器についても、ワーグナーホルンを使う場面があったりしたのが、興味深かったといえます。
アンコールは、ストラヴィンスキーの『サーカスポルカ』でした。この曲の終盤に軍隊行進曲(シューベルト)のメロディが登場しますが、弾みながら指揮をする高関さんが面白くて、とても印象的でした。

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●ラ・ミューズ(京都市/北山)

地下鉄烏丸線「北山」駅1番出口を右へ徒歩2分に、京都コンサートホールがある。その中にあるフランス料理店。
とりあえず、おなかが空いていたのだが、時間の折り合いがつかなかったので、コンサートを聴きに来た会場近辺で何か食べようと思っていたところ、都合よくカレーのメニューが目に止まったので入ってみた。
早速、『京野菜と小エビのヘルシーカレー』を、サラダ、コーヒー付きのセットで注文した。南京、竹の子、トマト、キュウリ、黄ピーマンなどの野菜たっぷりの、既成の概念にとらわれないカレーは、あまり辛味は強くないが、ニンジン入りバターライスとの相性も良く、期待以上に美味しかったので驚いた。
カレーといって、此処を一番に思い出す程のものではないにせよ、かなり好感度が高いお料理には相違ない。

2002年03月23日

●今をときめくソリストたちⅡ

以前、滋賀県の野洲ということろに、諏訪内晶子さん等によるトリオ・リサイタルを聴きに行った事があるのですが、今回は、さらに遠くて、おおかた東京に近い神奈川県は厚木市まで、足を運ぶ事になりました。チケット代の何と10倍という交通費を惜しみなく輩出して、この忙しい3月の貴重な休日を、音楽会にあてると云う行いは、ある意味“お金と時間の浪費”とも云える(間違いなく浪費)のですが、こうして、日頃の目に見えないストレスを、自分なりに解消していると説明しておきます。
プログラムは、ピアノだけの楽曲から演奏されました。彼女がリリースしているCDの中にも収録されている吉松隆さんの音楽ですが、優しいメロディに、広がりをもたせる分散和音が、心地よく流れるように構成されていて、田部さんの、透明感あるピアノの音色が、とても耳に馴染み易く受け入れられた気がします。
続いて、ヴァイオリンとチェロのデュオですが、文句無く渡辺さんのヴァイオリン演奏には、貫禄すら感じさせてくれる安定したものです。彼女のシンプルな演奏スタイルには、清潔感がありながらも、その音色には、いつも独特の“あじ”を感じさせてくれるのが楽しみです。素人目には、軽く弾いているように見えるリラックスした姿勢から、あれだけ強い音が出せるのは、不思議でなりませんが、この辺りが、プロたる所以なのかとも思います。
向山さんについては、以前、某公共放送の「おしゃべりクラシック」という番組パーソナリティとして、渡辺さん(といっても、渡辺徹さんですが)と、レギュラー出演しておられたので、名前は、よく知っていたのですが、私自身、生で彼女の演奏を聴くのは、今回が初めてです。
チェロは、個人的なイメージとして、遠鳴りする楽器という感覚があるのですが、此処の木で覆われた会場のせいか、それとも彼女の演奏の特徴的な部分かはよく解らないながら、音の伝わり方が、客席の身近な場所に響く感じがして、特に、低音の力強さは、奏者が女性である事を忘れるくらいだったと思います。
コダーイの楽曲は、メロディについては、時代的な新しさを感じさせているのですが、曲の構成は、古典的な要素を基本にしていて、難しいながらも、聴き疲れのしない音楽でした。第2楽章冒頭の、チェロの低音の効果が大変気に入りました。
15分の休憩をはさみ、後半のプログラムは、いよいよ3人揃っての登場です。ピアノトリオは、「小さな編成の交響曲」といった感じの音楽で、誰が主役でもなく、3人が均衡する音楽が、音の共鳴という意味を超えて、音楽の共鳴が、感動の幅を広げる効果を生み出しています。多くの作曲家がピアノトリオ作品を残していますが、この編成による作品には、たいそう魅力があったのだと思います。
渡辺さんのヴァイオリン演奏は、とても良かったし、田部さんのピアノも、力のある演奏でした。何よりも、今回、向山さんのチェロ演奏には、感激しました。
アンコールは、ドビュッシーのピアノ三重奏曲より第3楽章でした。

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2002年03月17日

●ザ・シンフォニー名曲コンサート

ザ・シンフォニーホールには、シンフォニアという会員サービスがあります。運営は、当ホールのチケット代から賄われていて、これに登録しておけば、ザ・シンフォニーホールでなら誰にでも配っている“シンフォニア”という月刊の案内誌が、定期的に自宅に送付されて来たり、チケットの先行予約などの特典があったりします。
今回、特に予定していなかったのですが、シンフォニア3月号の特集記事を読んだのが切っ掛けでした。その記事では、ソリストのカントロフさんが、1998年に来日した際、ラヴェルのツィガーヌという難曲を演奏したのを聴かれたようですが、かなり誉めていたので、そんなに書くのならよっぽどなのだろうと思い、聴いてみようと思ったわけです。
コンサートは、ファランドールで幕を開けたのですが、ここで、忘れてはいけないのが、指揮者の飯森さんについてです。私は、彼がタクトをとる演奏会に遭遇するのは、今回が初めてでした。若々しく、自己主張のある力強い指揮振りは、さわやかな印象を受けました。
前半のプログラムは、この後、編成を少し小さくして、カントロフさんが登場です。音楽は、世界共通語なのでしょうが、フランス語の“間”で、お喋りをするような感じさえ受けるソリストの“思うツボ”といった自在な演奏が、それとは対照的に、実直な伴奏との均衡を楽しませてくれました。
序奏とロンド・カプリッチョーソでは、指揮者とのアイ・コンタクト宜しく、熱い音楽を、サラッと弾きこなしていたように思います。
ラヴェルのツィガーヌでは、冒頭よりインテンポで入るソロが、記事の云う通り、音程に不安など微塵も感じさせず、見た目は淡々としているに、G線を熱く唸らせる演奏が印象的でした。ラヴェルの曲について、いつも思う事は、ピアノトリオにせよ、ボレロにせよ、曲自体が、感情に直接刺激を与えてくれるような魅力的なものが多いということです。
ツィガーヌとくれば、お次は、サラサーテのツィゴイネル・ワイゼンか、この曲しかないでしょうと云う所の「カルメン幻想曲」という訳で、5曲目の“ジプシーの歌”では、やや足早に展開したのが、もったいないくらいに感じましたが、とにもかくにも、ヴァイオリンの音楽を存分に楽しませてもらいました。
後半のプログラムは、サン=サーンスの交響曲という訳で、これも、私自身、ここのホールに何度も足を運んでいながら、今回初めて、パイプオルガンの演奏を聴くことになりました。曲は、2つの楽章による曲の構成は、各楽章が、前半と後半の要素に分かれているので、聴いた感覚では、伝統的な4楽章の交響曲と変わらない感じもします。
やはりパイプオルガンは、壮大な響きをホール全体にもたらしてくれます。特に、第2楽章後半に登場する部分は、曲としての盛り上がりに拍車を掛けます。指揮者の飯森さんが、強くタクトを振るので、その動きに、ストリングスも厚く響きを増し、管楽器群とのバランスもとても心地よく感じられました。また、個人的な音の好みかもしれませんが、オーケストラの響きとの間に違和感を感じてしまいがちなフルートについて、私は、NHK交響楽団以外の国内のオーケストラでは期待していなかったのですが、今日の演奏は、とても自然な響きに好感が持てました。演奏中、身体が揺れなければ、もっと良かったのですが。 アンコールは、ビゼーの歌劇「カルメン」より、第3幕への間奏曲。続いて、前奏曲でした。とても楽しい日曜マチネでした。

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2002年03月10日

●ハテナ(御堂筋線/心斎橋)

地下鉄心斎橋5番出口を東へまっすぐ歩き、信号を右折れ“ボンベイキッチン”の隣にあるアジア屋台風料理店。
アジアの屋台をコンセプトにした店内は、風通しのよさそうな解放感ある造りだ。また、ダイナミックに書きなぐられた壁画が、良く見ると、繊細に描かれていて素晴らしい。
何故か、12時を指したまま止まっている振り子時計が、壁にかかっているのだが、これが“HATENA”の由来なのだろうか?
『竹の子カレー』を注文した。タイ風のケーンというスープ料理といった感覚のカレーは、度が過ぎない辛味が主張して、具の豚肉を竹の子の食感のコントラストが楽しい。
豚ソボロがトッピングするライスとの相性が良い。
大阪にもあまたあるタイ風カレーを出すお店の中でも、此処のカレーは、“おすすめ”だと思う。

2002年03月02日

●炎のチャイコフスキー

指揮者の小林研一郎さんと、弦楽器との関係については、他の演奏家の演奏会と比較しても、毎回、かなり印象が深いのですが、今回の演奏会でも、弦楽器が、とても素晴らしかったと思います。 前半は、二管編成(弦30名、管14名、ティンパニー1名)にて、コンチェルトを楽しみました。この編成では、4本のフレンチホルンが、やや窮屈な演奏となりましたが、ストリングスの響きが、シンプルで好感が持てました。
ソリストは、幾人かの同曲に聴くものとは違った、独特のスタイルで、幅のある“あまい”音楽を、楽しませてくれました。特に、第1楽章後半に入り、分散和音と複音で奏でるソロ(カデンツ?)の部分は、私のお気に入りなのですが、取っ掛かりの音をたっぷり聴かせながら、テンポを変えない“唄いまわし”には、こういう表現もあるのだなと、感心しました。また、どんどん先へ進めるオーケストラとの均衡がとても楽しかったです。連譜が多用される第3楽章あたりでは、あれ?と思うフレーズもありましたが、全体として、とても迫力がありました。また、2~3年後にでも、さらに洗練された演奏をきかせて欲しいと思います。
指揮者の譜面台が取り除かれた、後半のプログラムは、総勢84名の大編成によるシンフォニーです。“コバケン”さんの『うなり』を、楽しみに来たので、期待感が高まりました。
やはり、弦楽器が素晴らしい。ひとつには、テンポの取り方にありますが、唄わせる部分では、ゆったり、そして音長もたっぷりで、くどいほどに朗々と流れるのに対して、リズムのある場面では、やや速いテンポで、軽快な音楽を展開します。このメリハリが、聴いていて心地よかったです。
管楽器については、トゥッティ(全体合奏部分)での迫力ある演奏は、とても力強い印象を受けました。反面、静かな部分での木管楽器については、感心できない部分(ミストーンの事ではありません)も少なからずありましたが、このオーケストラの特徴的な部分かもしれないので、これは聴く人によって、好みの分かれるところです。
曲の盛り上がりとともに、指揮者の“うなり”が、伝わってくるのですが、これは、“コバケン”さんの指揮の特徴でず。これを聴きに来るファンというのも居るのかも知れません。
最後に、今回は、朝比奈隆さん亡き後の大フィルの演奏会に、私としては、初めて聴きに行った訳ですが、プログラム後、“コバケン”さんが、「朝比奈さんを偲ぶ意味を込めて」とおっしゃり、アンコールに、『ダニー・ボーイ』が、弦楽器のみで演奏されました。

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