2002年05月26日

●春の音楽祭

岐阜県にやって来ました。ちなみに、此処のホールへは、新大阪から新幹線にて、米原まで行き、東海道本線に乗り換え、大垣経由で、西岐阜にて下車します。西岐阜からは、無料バスが出ていますが、時間も有ったので、約30分強の道のりを、歩いて行きました。
さて、このリサイタルツアーは、全国数箇所で開かれていますが、東京の紀尾井ホールは、即日完売だったというのは勿論の事、横浜フィリアホールでは、私は、先行予約の抽選に漏れてしまいました。何処の会場もチケット入手が困難だったのではないかと思います。そんな中、電話予約で一般販売日にチケットがあったのが、此処のホールという訳です。ただし、今日、会場には、完売御礼の張り紙がしてありました。
フロア席とバルコニー席を合わせて、708席という中規模のホールは、立派なパイプオルガンが設置されていて、天井には、豪勢なシャンデリアが6台と、随分行っていませんが、宝塚ベガホールを、思い浮かべてしまいました。
リサイタルは、3時に始まりました。空耳かもしれませんが、ホールの外で時報のオルゴールのようなものが鳴っているのが、聴こえたりして、ホールの設備上の不安が過ぎりましたが、演奏中、特に目立った騒音に悩まされる事は無く、快適に音楽を楽しむ事が出来ました。
前半の1~2曲は、諏訪内さん独りの演奏でした。聴く側の集中力に配慮してか、全曲やるのではなく、抜粋という、プログラムの組入れ方は、小気味良い感じを受けました。それにしても、諏訪内さんのヴァイオリンは、とても心地よい響きで、よく鳴ります。やはり、楽器と、それを奏でる人の相性とかもあるのでしょうか。グローさんが登場してデュオ演奏となる前半最後のパルティータは、古典的な独奏の前2曲とは、正反対で、現代的な音楽でした。第1楽章の途中、猫撫で声のような音で弾くヴァイオリンの音色がとても印象的でした。
後半のプログラムは、ブラームスの2曲です。最初のは、また抜粋で、この曲は、全体としては、そもそもディートリヒが第1楽章、シューマンが第2楽章と第4楽章を担当し、ブラームスが今回演奏の第3楽章を描いた合作なのだそうです。第3楽章は、取っ掛かり、ヴァイオリンが弾く、ベートーベンの「運命の動機」にも似た、フレーズには、とても躍動感があり、中間部では、ロマン派の甘いメロディラインが登場するという、ブラームス色がとても強いという印象を受けました。
プログラム最後に来て、ようやく初めて聴くのではない曲でした。ブラームスという作曲家は偉大だと再確認しました。第1楽章が終わり会場は拍手に沸きました。普通、楽章間では、拍手しませんが、今日のお客さんは、きっと、とても感動して、思わず拍手が出たのでしょう。
最後の曲が終わり鳴り止まない拍手に、何度も応える諏訪内さんと、グローさんでした。アンコールは、ブラームス作曲、ハンガリー舞曲集より第2番、続いて、第5番、ヴェニヤフスキー作曲、スケルツォ・タランテラ作品16、最後は、ラフマニノフ作曲、ヴォカリーズ作品34の14でした。

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●プランツォ(岐阜県/岐阜)

岐阜県県民ふれあい会館『サラマンカホール』迄、リサイタルを聴きに来たので、この会館14F(最上階)にあるスカイレストランに行ってみた。
何の迷いもなく、お約束の『ビーフカレー(サラダ付き)』を注文した。ザク斬りのチシャ、コーン、かいわれ大根入りサラダは、さっぱりドレッシングで美味しく頂いた。
付け合わせは、やや甘味が強いらっきょうと、乾いた食感の福神漬だ。

メインの、しっかり辛いカレーは、典型的な欧風カレーの味わいだ。業務用という感が否めないルゥだが、きっちり調理をして、仕上げを施してあるので、まったく問題なく美味しい。

また、惜しみなく絡めてあるビーフのボリュームには、好感度が高い。

2002年05月16日

●第540回定期演奏会

大阪在住の私にとっては、平日に、東京での演奏会を聴きに来るのには、それなりの段取りと、相当の資金が必要なのです。従いまして、当然ながら、よっぽど魅力的なプログラムでない限り、なるべく出かけるのを我慢するようにしています。
開演時間を告げるチャイムが鳴り、程なく奏者がステージに集まりだすと、期待感が高まります。拍手でステージに登場したコンサートマスターが合図を出し、チューニングが始まり、いよいよ本番です。
指揮者が登場して、やや空席がある会場に響く拍手には、物足りなさがあるものの、それとは関係なく、東京でのコンサート鑑賞に、気持ちを集中させるように心がけました。
指揮者の大きな振りに、金管のファンファーレで始まる行進曲は、英国の風格と云いますか、ベースを刻まない雄大な響きを楽しませてくれました。曲想が変わる場面でのアインザッツなど、指揮者と奏者との感覚の違いを感じる場面も有りましたが、それはそれとして、全体にソフトな音色が心地よかったと思います。
ヴァイオリンとハープという2人のソリストが登場する「スコットランド幻想曲」については、今回のプログラム中で最も楽しみにしていた楽曲です。曲全体が、スコットランドの伝説に基づく詩をモチーフにしたというこの曲は、情熱的というか、哀愁を感じさせるというか、とても馴染み易い作品です。ロマン派後期に活躍した作曲家ブルッフの傑作と云えるのではないでしょうか。
渡辺さんのヴァイオリンソロは、何時も素晴らしく、今回も期待していました。
序奏では、ヴァイオリンの響きを踏まえながらの、とても丁寧な弾き方をされていたように感じました。第1楽章に入ると、自然な音色が心地よいメロディを唄うのですが、やや控え目ながらも、存在感を保ちながら演奏する松井さんのハープとともに、大変聴き応えが有りました。
これは、渡辺さんのヴァイオリンを聴いていて、私が勝手に思う事なのですが、音符を確実に踏まえる姿勢に、ある種の信条のようなものを感じます。音楽を飾り付けるのではなく、シンプルな中に幅を感じさせてくれる表現が、私のお気に入りでもあります。第2楽章では、ややリズムを感じさせる速いテンポで始まりますが、ソリストの“幅を感じさせる”表現と、指揮者の力まないタクト裁きとが、ゆったりとした気分で音楽の展開を楽しませてくれました。後半に差し掛かるトゥッティの後あたりでは、フルートとの掛け合いがとても美しかったです。
第3楽章では、私の素人的な感想では、表現が適切かどうか判りませんが、冒頭、ソロヴァイオリンの、息の長いエレガントな唄いまわしに、つい聴き入ってしまいました。バリエイションへと展開するのも、なし崩し的ではなく、小節を感じさせるというか、メリハリが有る演奏が、曲の流れを、巧くリードしていたように思いました。また、伴奏に徹したという印象が強い、本日のオーケストラの響きにも、とても好感が持てました。
第4(最終)楽章では、ソリスト(ヴァイオリン)が、弾きおろす力強い動機が、とても印象的でした。速いパッセージでは、私の耳では、聴き取れない音が沢山有ったりしましたが、この曲のクライマックスとしての盛り上がりを感じる事は、辛うじて、できた様な気がしています。
この曲を、これほど、冷静に、じっくりと聴いたことが無かったのですが、何箇所か新しい発見も出来たので楽しめました。
休憩を挟んで、エルガーの交響曲です。私自身は、殆ど馴染みのない楽曲でしたが、ところどころで、英国の気品漂う雰囲気を味わえた様な気がしました。全体を通じて印象的なのは、各楽章の最後の音でした。美しい和音が、会場を支配する一瞬が、とても楽しめました。終楽章の長いクレッシェンド→デクレッシェンドは、ちょっぴり感動しました。

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2002年05月07日

●第11回 いずみ定期演奏会

此処3年は、年末に第九を聴く事が、私にとっての恒例行事になっているのですが、この曲は、やはり素晴らしいと思います。昨年の暮れには、センチュリーの第九を聴いたばかりですが、ベーレンライター版のベートーヴェン・シリーズ締めくくりのプログラムということと、西暦1824年の今日、5月7日に、第九が初演されたのだという、この演奏会の宣伝チラシに書いてある文句に誘われて、聴きにきたというわけです。
今回の演奏会を聴きに行くことについて、私は、初めての試みをしました。それは、会場へ自家用車でアクセスするということです。やはり、こういう演奏会というものは、公共交通機関を利用するべきなのでしょうが、職場に自動車を残して会場へ出かける事が、大変不便であったという理由と、このホールは、駐車場完備<有料>ということなので、あまり遠慮が要らないようだったことも追い風となり、思い切ってみました。勿論、詳しく道を知らない私は、カ-ナビ頼りのドライブとなりました。
ところで、私の音楽鑑賞のやり方は、いたって単純です。演奏のアクシデントやミスなどは、よっぽどの事がない限り、問題ではありません。むしろ、完璧などと思える演奏会があっても、つまらないで帰ってしまうこともよくある事なのです。やはり、演奏会の最初から最後までの間に、どれだけ感動し、どのくらい記憶に残る場面があるかが、私には、大変重要です。
今回の演奏会は、何が素晴らしいといって、常任指揮者である高関さんが、ベーレンライター版という企画を通じて、純粋に、音楽(または芸術)の“何を?どう?伝えたいか”という、意識付けを思わせる表現が、オーケストラの配置、演奏その他、あらゆる場面で発揮されていた事に尽きると思います。一般に、広く演奏されてきた版(便宜的に、以下“従来版”と表現)と、新原典版との違いなど、私ごときに、わかるはずもないのですが、音楽全体の流れの中で、力強さや、美しさが、とてもよく伝わってくる演奏会でした。
弦楽器の活躍が目立つのですが、今日は、センチュリーでは、未だ聴いたことがなかった、トランペットの“やわらかい響き”に、とても感激しました。合唱団は、とてもよく頑張っていたのではないでしょうか。

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