« サンタナ(御堂筋線/なんば) | メイン | サンタナ(御堂筋線/なんば) »

2003年02月01日

●第413回定期演奏会

昨年5月以来、久しぶりに来たサントリーホールですが、何時来ても素晴らしいホールです。今回、読売日本交響楽団第413回定期公演のプログラムでは、後半、ベートーヴェンの7番を演奏することを、早くから認知していたのですが、前半、ヴァイオリン協奏曲のソリストを、あまりよく存じなかったので、当初は、見送る予定でした。やっぱり7番が聴きたいと思っていたところ、今年に入ってから、チケット情況を検索したところ、まだ残席があったので、購入することになりました。
指揮者のゲルト・アルブレヒトは、同響の音楽監督で、前回、同響の演奏会を聴いたのもアルブレヒトさんの指揮によるものでした。私見ですが、アルブレヒトさんは、厳格な雰囲気が漂う方ですが、音楽は、大変オーソドックスで、聴かせどころを、きっちり顕在させながら、いやらしくない遊び心を伝えてくれる素晴らしい指揮者だと思います。
さて、演奏会は、定刻を迎え、メンバーがステージに乗り、その後、拍手の中、コンサートマスターが登場し、チューニングという、おきまりの儀式で始まります。いよいよ、指揮者のアルブレヒトさんが、登場すると、会場ほぼ満席の観衆の拍手は、一段と大きくなりました。
モーツァルトの序曲で始まったこの演奏会の第1曲は、さらっと、きき流すには、もったいない感じがしますが、聴く準備を整えるのには、絶好の一曲となりました。それにしても、モーツァルトの軽快なメロディーラインは、とてもリラックスできます。
今回、正直言って、後半のプログラムだけを期待してチケットを買ったのですが、前半第2曲のコンチェルトに登場した、タニア・ベッカー=ベンダーさんは、良い意味で、それを裏切ってくれました。
ドヴォルザークのヴァイオリンコンチェルトは、オーケストラの勇ましい前奏で始まる冒頭から、重々しく、演奏されました。続いて、ソロ・ヴァイオリンが、乗っかってくるのですが、彼女の演奏は、とても、繊細でありながら、メロディに、たっぷりと取るまわいが、音楽の大きな流れの中で、リズムがぶれることなく展開していく様子が、とても小気味良く感じられました。この第一印象が、損なわれること無く、全曲の中で、素晴らしいパフォーマンスを繰り広げてくれたと思います。もう一度、別の演奏会で、別の楽曲を聴いてみたいと思いました。
休憩を挟んで、後半のプログラムは、ベートーヴェンの交響曲第7番でした。テレビやCDでは、何度も聴いたことがあり、個人的には、ベートーヴェンの9つの交響曲の中で、好感度上位の楽曲です。生で聴くのは、今回初めてです。
オーケストラも指揮者も力のこもった熱演が、視覚的、聴覚的に伝わってきます。迫力がありました。音楽表現は、ダイナミックで、それでいてちゃんと整理できていて、tuttii(全員合奏部分)等では、流れに任せて弾ききるのではなく、要所では、きっちり、拍の頭を抑えるといった細かい配慮に感心させられる場面も多くありました。
第2楽章などでは、木管楽器は、綺麗な響きを聴かせてくれ、とくに、フレンチホルン(金管楽器)との、音的なバランスは、大変精度の高いところで、保たれていたと思います。
今回、生で聴いて良く分かった点が、各楽章において、いろいろありました。第3第4楽章では、フレーズの取り方の妙が、楽しめました。
ちなみに、これは、指揮者の考え方かも知れませんが、楽章間で、休息しない演奏は、例えば4つの楽章であっても、その全部で1曲なのだという事には、共鳴できます。楽章間で咳きをしたい観衆には、気の毒でしたが。
定期公演なので、アンコールは無いと思っていたところ、2曲演奏されました。グリーグ作曲ペール・ギュントよりオーゼの死、そして、ブラームス作曲ハンガリー舞曲集より第1番でした。

第413回定期演奏会

期日:2003年2月1日午後7時開演
会場:サントリーホール(東京都/赤坂)

管弦楽:読売日本交響楽団
指揮者:ゲルト・アルブレヒト
ソリスト:タニア・ベッカー=ベンダー(ヴァイオリン)

モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲イ短調
ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調