2003年09月17日

●第371回 定期演奏会

音楽監督就任後、シンフォニーホールでの定期演奏会は、2度目の登場となった大植英次さんでした。今回も、あまり、細かい事に期待してきたわけではなく、ゆったり、のんびり、名曲を楽しみたいという感じで、演奏会場に、足を運びました。会場の入り口で配られた、プログラムの解説によりますと、今回のプログラムは、作曲家ベルリオーズ生誕200年に因んだ構成になっていた様です。
ここのオーケストラのやり方なのでしょうか?開演前のステージ上に、一部の演奏家が、自由に音出しをしている風景が、徐々にその人数が増えて、最後、コンサートマスターが登場して、チューニングに入ります。いよいよ開演となり、指揮者が登場するや否や、大きな拍手が会場を渦巻きました。
第1曲目の序曲は、日本では、演奏会で取り上げられることの少ないものということで、私などにとっては、勿論、初めて聴く楽曲でした。私の座席が、ヴァイオリンチェロ(以降、チェロという)と、正面になる位置関係も有ってか、チェロの響きが、とても宜しく聴こえました。また、各楽器のユニゾンなどで、音尻の処理について、このホールの残響2秒も良し悪しってことがあるのかな?等と、独り思いに耽りながら、楽しませてもらいました。
第2曲目は、ピアノコンチェルトでしたが、ソリストが、黒地に白(本当は、白地に黒のつもり?)のストライプの衣装で、出てこられたのには、意味があったことは、あとで分かりました。つまり、何処ぞの国のプロ野球球団の優勝を祝ってのことらしく、別の球団のファンであったりする私にとっては、…それは、他でやってくれ!…でした。また、ベルリオーズの生誕200年といって、何故、リストの楽曲?という単純な疑問には、プログラムの解説の中で、説明が為されていました。それは、ベルリオーズが指揮し、リストがピアノソロを弾いたという、このコンチェルトの初演に由来し、それに因んだという関係だそうです。
コンチェルトの演奏自体ですが、まず、ソリストについては、彼女の演奏を聴くのは、初めてでしたが、とても優しい音色が心地よく、暗い曲調の部分も、しっかり光らせる演奏という感想を持ちました。終盤のカデンツァは、言葉の選び方が良くないかも知れませんが、とても流暢な感じで、耳に馴染み易い音楽を奏でてくれたと思います。伴奏も、きっちりハマッテいて、こういう場合の木管楽器に、何時もは、でしゃばった感じをうけるのですが、今回は、滑らかに、美しく奏でてくれていたと思います。
ちなみに、初めて聴く楽曲が、これほど、時間を忘れさせるものであったのは、楽曲自体が優れていることと、今回の演奏が、素晴らしかったからと言う事が、云えると思います。
後半のプログラムは、ベルリオーズといって、これを外すわけには行かない、名曲の「幻想交響曲」でした。あまり、細かいことは、気にとめず、音楽を楽しみたい楽曲です。
第1楽章の静かな場面での、力の入れ様が、とても楽しめました。ワルツ(第2楽章)は、いいテンポでした。第3から第4楽章では、ダブルリード楽器が、とても印象的な音色を出していました。フレンチホルンも、いい響きを出していました。終楽章まで、集中した演奏で、とても好感が持てるものでした。よかったと思います。
このオーケストラが、大植英次さんの指揮で、目だって変わったと、私が、素人なりに受けた印象では、管楽器、特に、木管楽器の音作りだと感じます。国内のオーケストラの演奏を、聴いて受ける率直な感想は、「弦楽器は、そこそこ楽しめるし、金管楽器も、頑張りが期待できる。しかし、木管楽器に、バランスの欠く、音量、音色に、幻滅してしまう。」と、いうことです。今回の演奏会で、出すべき音量、出すべきに音色に、変化が感じられました。ただ、音量が小さくなったというような、消極的な、変化ではないと思うのですが、オーケストラの中の木管楽器の位置が、とても、スマートに納まっていたように感じられました。
今回の演奏会は、前回の大植さんの時と同様に、カメラクルーが入っていましたが、何処かで、放映されるのでしょうか?いずれにせよ、マスコミに、露出することが、このオーケストラの芸術的表現に、プラスに作用されると良いと思います。今後、おおいに期待したいと思います。

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