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2003年11月29日

●来日公演

前回2000年3月の来日大阪公演もそうでしたが、今回も雨となりました。気分的なものですが、何時もながら、雨の日に、ホールに行くのは、気が重いというか、あまり好きではありません。そうは云うものの、天井のあるホール内は、雨とは、関係ないと云ってしまえばそれまでですが。
さては、午後3時には、家を出て、天王寺にある本屋で、時間を潰しつつ、なるべく雨の影響の少ない移動を心掛けながら、ホール近くで軽食を取り、午後6時40分頃、ホールに到着しました。
時間となり、コンサートマスターをはじめとする演奏家の皆さんが、舞台へと登場すると、拍手が起こりました。チューニングを終え、暫くして、指揮者のメータさんが登場するや、一段と大きな拍手が会場に響き渡りました。
シューベルトの交響曲が前半のプログラムです。演奏家は、まず、ストリングスは、ヴァイオリン22人、ヴァイオリンチェロ6人、ビオラ8人、コントラバス4人。木管楽器は、オーボエ、ファゴット、フルート、クラリネットが、各2人。金管楽器は、トランペット2人、フレンチホルン4人。打楽器は、ティンパニー1人という、二管編成でした。
演奏が始まって、早々に、木管楽器の美しい調べが展開すると、やっぱり、この公演に来て良かったと確信しました。また、第2楽章では、少ない数の弦楽器群から、厚みと輝きがあり、力みの無いソフトな響きを堪能させてくれました。
細かいことは、まったく気にしてませんが、こちらが聴きたいと思っている音楽の、それ以上に、こまやかな、音作りに、たびたび感心した楽曲でした。たとえば、「メゾ・フォルテ」の音量で、ゆったりとした下降系の音階的なメロディで「ディクレシェンド」しながら、次の小節の頭で、「メゾ・ピアノ」の音量で「新しいフレーズ」に移っていくという場面では、きっと楽譜に、こう書いてあるのだろうなと想像ができるような、基本的に高度なレベルで、よく行き届いた表現力を感じました。
後半のプログラムは、マーラーの交響曲でしたが、前半とは、対照的に、楽器も増え、チェレスタやハープのほか、ヘルデングロッケン(牛の首につける大きなカウベル)といった特殊打楽器も加わり、ステージ上は、演奏家で、溢れんばかりの状態となっていました。
実は、この楽曲は、初めて聴いたのですが、副題の「悲劇的」ということと、第6番ということで、無意識にですが、チャイコフスキー作曲の交響曲第6番「悲愴」と、何となく聴き比べるという準備をしてしまっていました。第1楽章が始まると、なるほど、暗い感じはするけど、音楽に、冷たさは無く、むしろロマンチックな感じさえ受けました。問題の第2楽章、第3楽章の順については、今回、初めて聴いただけに、何ともコメントしかねます。勿論、もう少し、いろいろな情報が分かってきたら、自分なりに楽しめる話題ではあります。
何の根拠も無い勝手な意見ですが、今回の第3楽章(スケルツォ)が、何となく、第1楽章の(リプリーズ)的な、音楽を展開するのであれば、その順序は、何処に来ても、不都合は無いという気はしました。古典的な交響曲の固定観念からすると、緩徐楽章が、第2楽章に位置するのが、必然的なようにも思います。
終楽章は、ここだけ聴いても、1つの楽曲といった感じの、中身の濃い、展開の多い楽章でした。ハンマーを打つ下ろす衝撃的な打楽器音は、迫力がありました。最後は、静かに終わるこの楽曲。このホールの残響2秒を、たっぷり楽しむために、東京公演ではないながら、Aプログラムを、ここに入れてくれたような気がしないでもない、この大事な残響を、先走りの拍手に、邪魔されたといえばそうかもしれませんが、これは、ご愛嬌。
まったくの余談ですが、関西では、どうも拍手のタイミングが早いというのは、東京のホールで聴く時と較べて、明らかな特徴です。横断歩道で、信号待ちをしていてもフライングが多い地域柄からなのでしょうか?というより、客として、この場をどう主体的に過ごすのかということに、こだわる人が多いということでしょうか?拍手が早い人って、楽曲が何時終わったか分からなくて、他の人の拍手につられて、自分も拍手するようでは、この場における自分の役割を果たした事にならないのでしょうね。
プログラム的に、時間が余らなかったということでしょうか?アンコールはありませんでした。

来日公演

期日:2003年11月29日午後7時開演
会場:ザ・シンフォニーホール(大阪市)

管弦楽:イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
指揮者:ズービン・メータ

シューベルト:交響曲第6番 ハ長調 D.589
マーラー:交響曲第6番 イ短調 「悲劇的」
 
※本日の演奏会に先立って、主催者より以下のお知らせがありました。
「お知らせ」
本日演奏いたしますマーラー作曲:交響曲第6番「悲劇的」は、これまで研究者の間で長期にわたって論争されてきた第2楽章、第3楽章の楽章順に関して、ズービン・メータ氏が、最近の発表により一応の結論を見たものと判断し、元来のスケルツォからアンダンテの順をアンダンテからスケルツォの順に入れ替えて演奏いたします。
従いまして、本日の演奏順は下記のとおりになります。
第1楽章 アレグロ・エネルジコ・マ・ノン・トロツポ
第2楽章 アンダンテ・モデラート
第3楽章 スケルツォ
第4楽章 フィナーレ

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