●聖響「新世紀浪漫派」
本日の演奏会についての嗜好を、ある程度情報収集してから、来たほうが良かったのかも知れません。まず、プログラムですが、チラシなどでは、第4番、第1番の順で演奏するものと思い込んでいたところ、いきなり第1番から演奏されたことに、愕然としてしまいました。
なお、今回の演奏を、シリーズ第4回(最終回)に、位置付け、“現代楽器で、ピリオド奏法を用いて新しいサウンドを作る!”という一連の取り組みの中の、一つだったということに気付いたのは、前半のプログラムを終えてからのことでした。また、このシリーズは、来年も新しいタイトルで、続くのだそうです。
こんなわけで、金500円を払って、プログラムを買い、読んでみました。なるほど、何故、本日のような演奏スタイルになるのか、理解が出来ました。楽器群のレイアウトも然り、ストリングスのビブラートを抑えた演奏も然り、普段、ゆったりとしたテンポで聴く部分が、背中を押されるような気分で展開したこと然りでした。
ここで、一人の音楽ファンの端くれとして、私見を言うなら、この取り組みは、まだ、未完成なのだろうと思います。勝手な感想をお許しいただきたいのですが、聴く側の錯覚によることも多少あると思われるアインザッツの不具合は、むしろ、こちらが聴くのに慣れることで改善されるのかも知れません。編成上、中高音の管楽器における突出した響きは、何時も残念に思うことですが、オーボエのソロは、音色に中身がありすぎて、個人的な好みに反していたし、トランペットとティンパニーは、ただ何となく鳴っているという感じがしました。「フォルテ」または、「スフォルツァント・フォルテ」でのフレンチホルンの響きには、管の中に、もう少し暖かい空気を注いで欲しかったようにも思いました。
また、第1ヴァイオリンを下手(舞台に向かって左側)前列に、第2ヴァイオリンを上手前列に、双方が向かい合う位置に居たり、コントラバスが、下手側に居たり、ヴァイオリンチェロが第1ヴァイオリンの、ビオラが、第2ヴァイオリンの奥側に居たりというような、普段との配置の違いにより、音楽の展開の中でのフレーズの受け渡し等が、確かに、位置的には、明確になったとはいえ、その継ぎ目が不明朗な点など、改善を希望したい部分は、多々あったようは感じました。当然、それこそが、ピリオド・アプローチによる取り組みの特徴なのだと云われてしまえば、お話しは、お終いですが。
勿論ながら、演奏そのもののは、大部分について良かったと思います。弦楽器は、相変わらず、美しい響きを提供してくれていました。特に、今までにあまり感じなかった点を云うなら、後半プログラムの第3楽章では、木管のアンサンブルが素晴らしく決まっていたと思います。また、静かな場面でのフルートのソロが、とても美しく奏でていたことについては、とても気持ちよく聴けたというのが、大いなる収穫でした。
こうした取り組みを実施してきた主催者側的な発想をすれば、本日の会場のように、ほぼ席を埋め尽くす聴衆の集まりに、一応の成功を見たと言えるのかもしれません。また、続シリーズが来年行なわれるという機会を得られたという点においては、演奏者は、さらに、その取り組みの中で、精度を高めていくことでしょうし、聴衆側的な発想からすれば、是非とも、来年は、期待を裏切らないそれではなく、期待していた以上の音楽的な成果を、私たちに届けてくれる事を希望しています。
末筆となりましたが、今回の演奏会には、何ら不満が会ったわけではありません。また、何時もながら、技術力の高い演奏を聴くかせてくれた、このオーケストラは、今後とも変わりなく、私や他の音楽ファンの皆さんの期待に応える演奏をし続けてくれる事と思っています。
聖響「新世紀浪漫派」
期日:2003年11月30日午後3時開演
会場:ザ・シンフォニーホール(大阪市)
管弦楽:大阪センチュリー交響楽団
指揮者:金聖響
ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 Op.68
ブラームス:交響曲第4番 ホ短調 Op.98
