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2004年01月31日

●無伴奏ヴァイオリンリサイタル

地元とは言いながら、初めて行くイシハラホール。その立地は、地下鉄「肥後橋」駅5-B出口直ぐで、とても便利です。また、建ってから10年程という同ホールは、中はとても清潔で、座席も、ゆったりとしていたし、音の響きも、臨場感が損なわれず、とても敏感に伝わってきて、聴衆としては、とても良い環境の中で音楽会を楽しめました。大阪にも、こういう、しっかりとした小ホールが、あったことを再確認出来た事は有意義です。
さて、ヴァイオリン1本で、どんな音楽会が成立するのかという事が、私には、想像がつきませんでした。但し、プログラムの中心が、バッハの作品という点で、難解な音楽を、聴かされるのではないかという不安が、排除されていたので、開演時間が近付くに連れ、いろんな心配よりも、むしろ、期待感の方が、大きくなってきました。
黒地に、銀色が眩しい花柄刺繍のドレスで、渡辺玲子さんが、ステージ上に、たった独り登場し、演奏が始まると、まず、ヴァイオリンの響きに、感心させられました。確かに、弾いておられるのは、当然、ヴァイオリンで、音域も、ヴァイオリンそのもので、それ以外の何物でもないのですが、木の感触というのでしょうか、まるで、ヴァイオリン・チェロがゴリゴリと演奏しているのを聴いているかのような、心地よい響きに、ヴァイオリンという楽器の、凄さを感じました。勿論、それを見せつけるかの如く、弾きこなしている彼女には、もっと感心させられました。第1曲目は、あっという間に終わったという感じでした。
15分間の休憩を、挟んで、バッハの楽曲が、2曲続きました。ソナタの1番といい、パルティータの3番といい、TV番組やCMなんかで、なじみのフレーズが出てくる度に、バッハの音楽というのは、ヨーロッパだけではなく、私たち日本人の日常にも、自然に受け入れられている事を、実感しました。けっして、奇抜ではないし、無理が無い。それでいて、退屈しないという、この音楽が、3百年近くも前に、作られたものと考えただけでも、「音楽の父」とも云われる、この作曲家の偉大さを、思い知らされます。
また、音楽そのものの素晴らしさというものは、楽譜の上だけでは、一般の人々に対する、説得力がありません。やはり、それを表現する演奏家の力が、必要不可欠である事を、つくづく感じました。そういう意味で、本日の音楽会では、彼女が、その素晴らしい演奏を聴かせてくれたことに、一聴衆として、とても満足しています。また、クラシック音楽を聴くとき、度々思うことですが、逆に、作曲者は、たとえば3百年後に、自分の作品が、日本という場所で、日本人に演奏されることを、予定していたのか等、いろいろと想像すると、別の興味が、湧いて来たりします。
最後に、演奏された、ヒンデミットの作品ですが、私は、同作曲家の作品は、過去にあまり聴く機会が無くて、ある演奏会で聴いた時の印象も殆ど残っていません。今回の楽曲については、演奏を聴いてみて、きっと、高度なテクニックが要求されているんだろうなとは思いました。それを、メリハリのあるスマートな音楽に、サラッと、弾いて魅せる彼女には、感心させられるばかりでした。アンコールとして、もう一曲というのは、ありませんでしたが、最後のこの曲は、その代替的な楽しみ方が出来たと思います。

大関クリスタルコンサート

期日:2004年1月31日午後6時開演
会場:イシハラホール(大阪市)

ヴァイオリン:渡辺玲子

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番二短調BWV1004
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番ト短調BWV1001
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番ホ長調BWV1006
ヒンデミット:無伴奏ヴァイオリン・ソナタOp.31-1

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