2004年02月12日

●第375回定期演奏会

大阪から発信するクラシック音楽の演奏団体で、自信を持ってお薦めできるオーケストラが、2つあります。その内のひとつが、大阪フィルハーモニー交響楽団(以下、大阪フィルという)です。大阪フィルには、長い歴史があって、その前身である関西交響楽団時代を、含めると、今回の定期演奏会が、500回目となるのだそうです。余談ですが、もうひとつのお薦めは、大阪センチリー交響楽団です。
故朝比奈隆氏より、大阪フィルを、引き継ぐ形で、2003年のシーズンから音楽監督に就任された大植英次さんですが、新生大阪フィル元年は、定期演奏会の舞台を、大阪フェスティバルホールからザ・シンフォニーホールに移行するなど、いろんな環境が変わったようです。
新しい歴史が、始まったばかりでが、大植さんが指揮するザ・シンフォニーホールでの定期演奏会は、各回、聴いてきました。1年目のシーズンは、マーラーもベルリオーズも良かった。前回のブラームスも良かった。今期4度目(最終)の登場は、ショスタコーヴィチということです。私見ですが、彼が、指揮をする大阪フィルへの感心は、回を重ねるごとに、右上がりに高まって来たことは確かです。それは、決して、ここのオーケストラの伝統を、否定するのではなく、むしろ、肯定の上に、成り立つ別の音楽を、毎回、聴かせてくれる事に対する期待に他なりません。
開演前、まだ、時間に余裕がありながら、既に着席している多くの聴衆と、何時もながら、各々が音出しをされるステージ上の楽員の皆さんの姿。こういうホールの雰囲気を見るところ、聴衆の期待はさることながら、それに、応えるべく鍛錬されているオーケストラのメンバーの意気込みは、もっと、強いものではないかと、想像します。こういう環境っていうのは、名演を生みそうな予感がするものです。
プログラムの解説には、楽曲について、いろいろと書いてありましたが、あまり気にせず、聴くことにしました。第1楽章では、序盤、和音に、ちょっとした引っ掛かりを感じたのは、気のせいとして、とても、自信に満ちた演奏を、聴かせてくれました。第2楽章以降では、第2ヴァイオリン群の響きも、とても楽しめました。個人的に、どのオーケストラでも気になる木管楽器ですが、今回は、編成が大きく、様々な音域の楽器が、参加していたにもかかわらず、スマートに、比較的、心地よい響きが、楽しめました。また、今回、顕著に感じたのですが、tuttii(全体合奏部分)での伸びやかな響きは、大阪フィルの特徴のひとつなのでしょうか?
今回の、演奏会を、形容する言葉は、「カッコ良い」です。2004年のシーズンに、大植さんが、指揮するシンフォニーホールでの、ここのオーケストラの定期演奏会では、さらに、「カッコ良い」演奏を、聴かせて欲しいと思います。そして、一般によく知られている名曲だけではなく、国内では、あまり取り上げないような作品で、所謂“隠れた名曲”と、云ったものを、いろいろと紹介して欲しいと思います。
ちなみに、ザ・シンフォニーホールでは、真中の通路より、前の席で、聴いた記憶が無かったのですが、今回は、思うような席位置が、空いていなかったので、前から5列目の中ほどの席にて、聴くことになりました。この席からは、コンサートマスターの、ヴァイオリンの音や呼吸が、けっこう直接的に、耳に飛び込んでくるので、“間(ま)”というものを、感じながら、指揮者が、コンサートマスターが、計りながら、全体に、伝えながら、演奏している姿が、楽しめました。こういう席位置も、意外と良いものかもしれません。

続きを読む "第375回定期演奏会"