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2004年04月22日

●第377回定期演奏会

大植氏の定期(ザ・シンフォニーの分)は、今回で、5度目ということになります。ちょっとした、“追っかけ”かもしれませんが、オーケストラの変革を、この目(耳?)で、確かめるチャンスは、そう度々あるものではなく、大阪フィルハーモニー交響楽団が、前指導者から、新しい音楽監督に、交代したのは、ここのオーケストラの歴史的、転換点に違いないと思うだけに、ついつい、コンサートに、足を運んでしまうのでした。
能書きは、この辺にして置きまして、今回もまた、楽しませてくれました。第1曲目の「ワルツ」は、このリズム感を、体感し、音楽に、慣れるのは、少し難しかったのですが、とても新鮮でした。
ソリストのファルジ・サイ氏が登場するベートーヴェンのコンチェルトでした。この曲は、長いイントロ(導入部分)があり、その間、ソリストの表情を、観察していると、何か、唄っているようだったり、ぱっと、オーケストラの方を、向いてみたり、それらの動きが、とても楽しかったです。こういうリラックスした態度とは、裏腹に、演奏は、とても繊細で、一つ一つの音符が、力強く、大変好感度の高い印象を受けました。彼のカデンツァは、とても躍動的で、ものすごく新しい音楽を聴いているような、また、易しい音楽を、楽しんでいるような、様々な表情が、メリハリの中で、展開していきました。最初から最後まで、まったく退屈せずに、楽曲を、楽しませてくれました。ピアノの演奏に、感動したのは、久々で、とても有意義でした。
コンチェルトで、前半のプログラムが終了ですが、ファジル・サイさんは、私たち聴衆の拍手に応えて、アンコール2曲を、披露してくれました。1曲目は、モーツァルト:「キラキラ星変奏曲」K.265でした。曲のはじめ、会場に、少し笑い声が、広がりましたが、この曲が、進むに連れ、その人たちは、自分の素直な反応に、後悔した事でしょう。2曲目は、彼自身が作曲した「ブラック・アース(黒い大地)」でした。曲中、弦を弾いたような音を出しますが、これは、左手を、グランドピアノの弦が張ってある部分に、突っ込んで、どうやら、弦の何処かを、押さえるか、触れるかしながら、右手で、鍵盤をたたくという、見たことが無い奏法で、奏でているようでした。とても、雰囲気の有る良い楽曲でした。
後半のプログラムは、「春の祭典」でした。この楽曲は、同響では、京都コンサートホールにて、高関健氏の指揮で、聴いたことがあり、その際も、とても素晴らしかったのですが、今回は、また、素晴らしい演奏だったと思います。
音楽のどうこうが、分からなくても、とても楽しめるコンサートではないかと、思います。クラシック音楽は、退屈というイメージは、なかなか払拭できない既成観念(というか、有る意味事実)があり、知らない楽曲なら、なおさら退屈するのではないかという心配が、先に走りがちです。詳しいことは、後々の、同定期を、聴くに連れ、追々触れることとして、そういう懸念を、感じさせない演奏会のあり方を、大植氏の定期は、提唱してくれているような気がします。
なお、今回の客演コンサートマスターは、ロバート・ダヴィドヴィッチさんでした。

第377回定期演奏会

期日:2004年4月22日午後7時開演
会場:ザ・シンフォニーホール(大阪市)

管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団
指揮者:大植英次
ソリスト:ファジル・サイ(ピアノ)

ラヴェル:ラ・ヴァルス
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.37
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」