●東芝グランドコンサート 2005
今年は、オーケストラの演奏会を鑑賞するのは、これが初めてとなります。
外国のオーケストラの来日公演は、その希少価値とチケット価格は比例しますが、期待度とチケット価格とは、必ずしも比例すると期待はしていません。今回は、諏訪内さんとウォルフさんのコンビで、コンチェルトを聴いてみたいと言うだけの動機で演奏会に足を運ぶ事にしましたが、結果的に、ちょっと高かったかな?という感想です。
とはいうものの、ウォルフさんは、数年前にTVで放映された演奏会の中で良い指揮者だなぁという印象があって、今回、生で演奏を聴く機会が巡ってきたということで、そういう期待には、充分に応えてくれた、良い演奏会であった事は確かです。
今回、訪れたホールは、大阪の老舗多目的ホールというか、年季が入ったホールというか、大阪フェスティバルホールです。このホールは、伝統を感じさせる雰囲気が、とても良いのですが、一度改修でもしてリニューアルして欲しいと言うのが率直なところです。
この立地、この規模のホールは、コンサートには、最適です。但し、オーケストラの音が、何かにかき消される事はさすがに有りませんが、響きが遠いというか、舞台から客席にうまく伝わってこない感じがするのです。金管楽器演奏者などは、苦労しているように見えるのは気のせいでしょうか?個別の演奏についてではなく、ここで聴いた全ての演奏について、そう感じるのです。
前半のプログラムは、ベートーヴェンの序曲から始まりましたが、聴いている側として、もう一つ、音楽を鑑賞する集中に入り切れませんでした。
本日のソリストは、たぶん、今日が、お誕生日の諏訪内晶子さん。以前にも、見た事があるような、肩紐付きの赤ワイン色のお上品な光沢があるワンピースで、登場されました。
何時もながら、その繊細さは、ともかくとして、あの細身の何処から、こんなに、力強いヴァイオリンの響きというか、音色が生み出されてくるのか、本当に不思議です。
コンチェルトは、第1楽章冒頭こそ、せかせかした感じがしましたが、ソリスト主導の展開に、オーケストラが軽く付き合っているような印象を、受けました。カデンツの内容は、今までに、聴いたそれとは、違った印象を受けました。もしかして内容が違っていたのでしょうか?
第2楽章では、よーく、引っ張ったというか、やや退屈な音楽を、聴かせてくれました。良くいうなら、ゆったりとしたフレーズを、伸び伸びと聴かせてくれたということでしょうか?終楽章では、軽快な、“ノリ”を、楽しませくれたりしました。これは、今までに、聴いた諏訪内さんの演奏にはない、新しい雰囲気を持った、演奏だったように思ったので、とても新鮮な印象を受けました。総じて、オーケストラと、ソリストの均衡よりも、ソリストの、自由闊達な、表現を、楽しませてもらいました。
前半は、客寄せを、狙ったのかな?と、思わんでもなかったプログラムでしたが、実際、こうして、聴き終えて見ると、けっこう楽しめたという、感想になりました。
後半のプログラムは、全管編成のオーケストラが、存分に、威力を、発揮した、迫力ある「巨人」でした。やはり、この楽曲が、この演奏会のメインである事は、来る前から、分っていた事ですが、実際、その通りでした。とくに、本日一番の聴かせどころともいうべき、第3楽章冒頭からの音楽は、美しくて、楽しめました。
実は、初めて聴いたのです。この超有名な交響曲を。最近、というより、ここ数年、マーラーの交響曲を聴くようになりました。それまでは、難しいのだろうという、先入観を、持っていました。第1番においても、その嫌いは解けたように思います。
アンコールは、指揮者のヒュー・ウォルフさんが、日本語で曲名を紹介した、ワーグナーの歌劇「ローエングリン」より、第3幕への前奏曲でした。
東芝グランドコンサート 2005
期日:2005年2月9日午後7時開演
会場:大阪フェスティバルホール(大阪市)
管弦楽:フランクフルト放送交響楽団
指揮者:ヒュー・ウォルフ
ソリスト:諏訪内晶子(ヴァイオリン)
ベートーヴェン:エグモント Op.84 序曲
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調 Op.64
マーラー:交響曲第1番 ニ長調 「巨人」
