大阪にもインド料理店は数多あれど、オススメのお店はと問われても、実は、あんまり知らないと言うのが現状なのです。
そんな中で、西本町にあるこのパキスタン料理店は、長く続いているし、それなりに楽しめるお店って事だと思います。
良い点と悪い点の両方が見えるお店は、こだわりのある部分とトレードオフな部分を見分けて捉えれば、良心的かどうか見極める事が出来るかと思います。
ここは、10年近く前に、1回訪ねたきりでした。その際の日記が残っていました。(こちらをクリック)
わりと“お気に入り”な部類のお店と言えば、『アシヤナ』(四ツ橋線なんば)、『ボンベイキッチン』(御堂筋線心斎橋)、ピーナカーナ阿倍野店『アジャカジャ』(近鉄阿部野橋)、ナーナック姉妹店『コヒヌール』(西梅田ハービス)、東京から進出ベジタリアンレストラン『ナタラジ』(西梅田ブリーゼブリーゼ)、呑み中心『ゴルカバザール』(谷町9丁目)、老舗高級インド料理店『ナビン』(四ツ橋線肥後橋)くらいですかね。
但し、それぞれのお店に個性があり、それぞれなりの好感を持っています。
さて、ここは、4回に分けて、色々とメニューを頼んでみたので、一気に紹介しておきたいと思います。
「ウエルカム・スープ」
チャージとか付かないんですけれど、食事をする人には、その日のスープが付いて来るみたいです。
“突き出し”とか“お通し”とかの類と同様の感覚みたいで、このお店では、“スープ”または“パパド”が出て来る事になっています。手作り感あるスープが、何気に出てくるのは、関西特有のものなのか?誰かが教えた提供スタイルが踏襲されているのか?そうとすれば、そのルーツを辿って見たい気がしないでもありませんけれど、そんなに、暇でもないので、“?”のままにしておこうと思います。
ちなみに、東京から進出した『ナタラジ』大阪梅田店(西梅田ブリーゼブリーゼ)では、冬季限定で、ウエルカム・スープを実施していたりしましたけれど、これも大阪スタイルの現れなのか?
1回目「チキンスープ」
2回目「コーンスープ」
3回目「トマトスープ」
4回目「コーンスープ」



「アップルキャロットサラダ」
カットしたりんごとニンジン。
甘く味付けしたヨーグルトとチャットマサラを調整し軽く塩加減した感じ。
塩っ辛くなかったので、塩を使ったかとかはハテナ?、レモンの酸味は感じなかったけれど、それもハテナ?

「キーマサモサ」
ミンチとグリーンピースが入っているサモサ。
どぉって事はないけれど、とりあえず、1杯目のビールのあてとして、スナック系のアイテムもチェックしてみただけです。
基本的に、サモサは、口中がパサパサして、食べ進んでいるうちに油っ気とかも気になってしまって、個人的には、あんまり得意ではない食べ物です。
「ミックスパコラ」
ヒヨコマメを挽いた粉などをコロモにして、サクッと揚げたてんぷら、インドの地方によっては、バジと言ったりしますけれど、西洋的には、フリッターとかいうのでしょうか?チャットマサラが振りかけてあります。
パコラは、もしかしたら、このお店のメニューの中で、一番お気に入りかもしれません。
但し、カレーよりもと言うと悲しいものがあるので、一応、“カレーを除いて”と、しておきましょう。
パコラは、「グリーンチャトニ」と「タマネギとトマトのソース」を付けながら頂きます。
ちなみに、ミントのはよくあるタイプのやつで、トマトのは興味なし。
「ムガル・スペシャル・グリル」
タンドリーチキン、フィッシュ・ティッカ、プローン・ティッカの盛り合わせ。
蒸気やらなにやら、飛沫をまき散らかしながら、テーブルに運ばれてくるのは、ライブ感たっぷりです。
湯気の迫力が、内容を伴わないケースは、多々体験していますけれど、ここは、やや気後れ気味のグリルの数々で、カバブとかも普通に美味しいし、ボリュームたっぷりあるから、良い方なのでしようね。
個人的には、特段な印象はありませんけれど、ディナーの前半の見せ場としては、ちょっとしたワクワク気分を喚起するためには良いのでしょうね?
こちらもパコラと同様、「グリーンチャトニ」と「タマネギとトマトのソース」を付けながら頂きます。
ちなみに、レモンが添えてあったのですけれど茹っていました。
熱過ぎて搾るのに難義しました。って言うか、素手では触れないくらい熱かったので、こんなんだったら、むしろ無かった方がマシなのか?



「ダールタルカ」
チャナ・ダール(ヒヨコマメの挽き割り)を煮込んだものをイスラーム式に仕上げるカレー。
作り方的には、わりとシンプルなので、ついついコメントもシンプルになっちゃいますけれど、味わいは、コクが楽しめて、深かったりします。
このお料理は、個人的には、“マル”です。
ちなみに、挽き割りでないヒヨコマメを、チャナ・ダールとは呼びませんので、挽き割りでないヒヨコマメが入ったカレーを、チャナダール入りのカレーと言うことはありません。
「アールー・パラク」
ジャガイモとほうれん草のカレー。
このお店の場合、カレーのペースト部分は、仕上げ時に、ほうれん草の葉っぱを細かく刻んでさらに加えて、あと、別に蒸かしておいたジャガイモを絡めたみたいな感じですかね?
店頭のお写真から期待した程では無かったものの、まぁ美味しいんですけれど、どのカレーにも言えますけれど、味が濃くって、2口目くらいで直ぐ飽きちゃいます。


「チキン・ジャルファラジ」
存在感ある大きさにカットしたトマト、タマネギ、ピーマンなんかが炒め和えられている、汁っぽくないチキンのカレー。
北インドやパキスタンのお料理に初心者なら、汁気の無いカレーもありなのか?って思いつつも、ある種、好きになる要素がたっぷり含まれているカレーなんじゃないかと思います。
個人的感想として、このお店では、後述の「チキンカラヒ」よりも、こちらの方が、“マル”な感じがします。
「チキン・カラヒ」
カラヒ(カライ)と言う鍋で作られるドライなカレー。
パンジャーブ地方の料理ですかね?お家で作る際には、2つのレシピをレパートリーとして知るけれど、何れにも共通するのは、トマトをたっぷり使うと言うところと、タマネギを使わないと言うところでしょうか?
ところが、こちらのは、東京の『ラージマハール』と言うお店で見られるようなタマネギの使い方をしていまして、私は、そう言う風に作ったことはありませんので、これも「チキンカラヒ」なのね?って感じで、ちょっぴり躊躇しました。詳しくは、『本格カレー入門』(エクスナレッジムック)116頁117頁等をご参照ください。
これはこれで美味しいですけれど、「ジャルファラジ」との明確な違いが、私にはあんまり理解できないんですよね。
あと、頼んだわけではないけれど、大盛りにて。
こう言うカレーには、ナーンが良く合いますね。
また、ビール片手に、
摘み食いってのも小粋なもんです。


「サダナン」
プレーン・ナーンの事。
サダとは、プレーンの事で、けっして、何かを宣言するものでも、100番100番とか言いながら出てくるものでもありません。
ナーンは、得意な食べ物ではないので、あまり比較対照したことがないのですけれど、表面のサクッとした感じ、中味のふわっとした感じ仄かな甘みもあり、大変よくできたナーンなんじゃないか?なんて思います。
「フライドライス」
ビリヤニといっては、こんなんが出てくるお店が少なくありませんけれど、ここのは、ちゃんと、フライドライスと表記。
ビリヤニと言って、焼き飯みたいのが出てきた際は、ピラフと言って、焼き飯みたいのが出てきた際よりも、ショックが大きいので、事前に、情報が無い場合に、ビリヤニを注文するのには躊躇するので、困ったものです。
このメニューは、具材を炒め合わせたごはんの事で、これはこれで、あえて頼むならあって然りかも知れません。
ただまぁ内容はと言いますと、こういうのを頼むのなら、ここでじゃなくて、喫茶・軽食店へどうぞって感じです。


「マトン・ビリヤニ」
このメニューをオーダーする場合には、“パキスタンのミックススパイスのひとつ、ビリヤニマサラを使って、芳醇に仕上げたマトンカレーと、パキスタン産のバスマティーを湯取り法で茹で上げたスパイスライスを合体させて炊き込んだ、ダムスタイルのビリヤニ。”を、期待したいところです。
ビリヤニを頼んで、いわゆる“焼き飯”タイプのものが出てきた際には、がっかりしますけれど、頼む前に分かるなら、注文を避けたいですね。
ちなみに、このお店では、別途、「フライドライス」(既述)と言うメニューがありまして、ビリヤニとは、ハッキリ区別しています。
マトンのカレーは、トマトを多く使うグレイビー仕様なのですけれど、仕上げ方によっては、別のマトンのカレーにもなるのでしょうね。
ビリヤニには、ビリヤニマサラで仕上げてあるみたいです。
ごはんは、たぶんパキスタンのバスマティですよね。本場の味わいかどうか?は、よく知りませんけれど、本格的なビリヤニには違いないです。
希望すると「ヨーグルト」を付けてくれますので、ご遠慮なくお申し付けください。

「グラブジャムーン」
球状の揚げたパニールのシロップ漬け。
どうでもいいや、別段のコメントはありません。ここで食べたものを、ホントのグラブジャムーンと思ってしまう人がいるかも知れないことを危惧しますけれど、私の知った事ではない。
「チャーイ」
水:ミルク=1:3くらいか?ミルキーと言うより、ややサラッとしていまして、カルダモン、クローブ、ショウガなんかが使われているのでしょうか?ほんのりスパシーなチャーイは、食後に頂くには、嫌味なく美味しいですよ。個人的には、もうちょいミルキーでも良いのですけれど。


さてさて、翻訳には、直訳と意訳が有ると思いますけれど、料理にもそういった見方ができるのかも知れないなぁって思ったのでした。
外国料理においては、水(最重要)や材料となる作物など、環境の制約があるので、そもそも直訳は出来ないのだと思います。
料理とは違うお話では、オペラの引越し公演みたいに、ホール以外、何から何まで、現地から持ってくるってのもありますけれど、これは、合理的ではないと私は考えます。ヨーロッパの空気と日本の空気(例えば湿気)が違う事に、とても悩まされるみたいです。
なので、本場の味わいを再現するって際に、如何に、本格的な作り方をするかと言うところと、どのくらいロス(誤訳)の少ない意訳が出来ているかが、外国料理店の料理自体の評価にあるのではないか?と、個人的には思います。
何処そこ料理に“創作”と書き加える逃げ道はあるけれど、ぜひ、本場の味を私たちに伝えて欲しいものです。
今回は、けっこうヘビーローテーションに伺いましたけれど、3年分くらいは行ったので、暫くは行かないのかも?